Vol3. 東京・六本木 自然地形を活かし緑を保持して 機能融合型のまちづくり

Vol3. 東京・六本木 自然地形を活かし緑を保持して 機能融合型のまちづくり

Vol3. 東京・六本木 自然地形を活かし緑を保持して 機能融合型のまちづくり

東京藝術大学美術学部建築科 講師 河村 茂 氏 博士(工学)

1.14 UPDATE
東京藝術大学美術学部建築科 講師
河村 茂 氏 博士(工学)

東京藝術大学美術学部建築科 講師
河村 茂 氏 博士(工学)

プロフィール
1973年東京都に入都
土地・建物利用現況悉皆調査の企画実施(現況図に整理し数値化)
副都心整備計画の策定と新宿・渋谷・大崎等の開発誘導
高度地区絶対高さ制限導入の企画、新宿区で実施
その他、アークヒルズ、六本木ヒルズ、東京ミッドタウンなど再開発誘導
公団(現、都市再生機構)で東雲、豊洲の事業に従事
芸大は2007年~
単著「日本の首都江戸・東京都市づくり物語」、「建築からのまちづくり」など

カテゴリー

自然・地形、歴史・伝統、地場産業、生活文化、環境・景観、地域再生

テーマ

緑豊かな台地の尾根部の緑の豊かな環境の維持と、谷部に存する
老朽木造住宅と狭隘な道路による居住環境面や防災面からの危惧を
打開するべく、わが国の伝統的まちづくり技法や近代化技術を活用し
自然に馴染むよう一体的に再開発

場所の固有性

台地の尾根と谷を結ぶ傾斜地という地形特性、
また江戸期から近代明治を経て今日へと続くまちづくりの伝統様式
(尾根部の閑静な環境と谷地の賑わいという関係)の継承
台地の尾根と谷との棲み分けと、結びつきの関係に土地固有なものがある

まちづくり上の特徴

  • 容積適正配分型地区計画と一団地認定の制度を活用し容積移転、
    また建物をタワー状にすることで静謐さと賑わいとを両立させるとともに、再開発等促進区を定める地区計画を活用し緑化の特例を
    適用し空地の有効性を高め緑の環境を保持する
  • 地形に馴染むようアーバンコリドーとしてエスカレーターを設置、
    これにあわせ店舗を階段状に整備し傾斜地の賑わいを介して
    尾根と谷とを結び、さらに周辺地区へとつなげる
  • 市街地再開発事業を施行し、
    権利変換方式で一挙に地域課題を克服する

概要

地下鉄新線の開通を契機に、その開発ポテンシャルを活かし陸の
孤島的状況を打破、尾根部には住宅・文化施設を配置し自然豊かで
閑静な都市環境を、また谷部は地下鉄駅前の立地を活かし賑わいの
商業・業務施設を配置し、生活・文化・ビジネスが融合するまちへ