進みつつある地域再生の姿

Vol4. 民間主役の自律的で質の高いまちづくりによる地域再生の推進

Vol4. 民間主役の自律的で質の高いまちづくりによる地域再生の推進

株式会社日本都市総合研究所 顧問 鳥栖 那智夫 氏

2.12 UPDATE

4. 進みつつある地域再生の姿

 一部は建設中であるが、概成した豊洲地区は地域の地権者達が自分たちの描いた豊洲のビジョンと空間を作る開発を全員で吟味・調整・合意しつつ開発した結果が現在の豊洲の姿であり、それを実現に導いたお互いに責任を持ち合うまちづくりのあり方こそ、豊洲さしさの地域再生と言えよう。
〇 調和のとれた全体の都市空間
 全体の都市空間構造が建築の配置、デザインの調和、外構などによって表現され、豊かな街並みが広がる。
〇 機能集積も進む。
 大学、業務、商業、サービスなどの機能の立地は暫定利用施設を含み、概成し、就業人口33千人に向いつつある。

ガイドラインに沿った全体空間の姿(三井不動産株式会社 撮影)

機能・施設立地の状況
豊洲2・3丁目プロジェクトマップ

○ 魅力的な空間が全体に広がっている。
 地区全体に広がる調和のある都市空間、水辺の環境を活かしたダイナミックな景観、神経の行き届いた身の回りの空間が展開され、豊洲の総体の風景となっており、それが[まちの価値]につながっている。
〇 広域的な賑わい拠点になりつつある。 
 ドックなどの造船工場の遺構を残し、船着き場を整備した空間とそれを囲む商業・サービス施 設(アーバンドックららぽーと豊洲)は広域的な集客拠点として常に賑わいを見せており、再生の地域活性化の一端を担っている。
〇 既に多くのビジネス活動でまちは活気づいている。  
 地下鉄有楽町線、ゆりかもめ線により都心部 と直結され、道路条件が飛躍的に改善され、オフィスビルを中心に、業務活動が増加している。
〇 高層住宅で海の環境と街のアメニティを楽しむ居住者が増えている
 都心へ至近距離、海辺の自然環境、新しいまちの環境を享受できることが人気を呼び、高層住宅への入居が続いている。 地域再生の目標人口の22千人に達する日も遠くないものと思われる。
〇 この地域再生の真の価値は[新しい地域社会の核を生み出したこと]かも知れない。
 地権者全員が参加する豊洲独特のまちづくり方式により再生を試みる過程で相手の立場を理解しあえる信頼関係、協働の体制が生まれた。この社会関係は今のところ、全地権者の間のものであるが、今後、居住者、企業も増加し、地域コミュニティの形成が必要になるが、協議会はエリアマネジメントの中心となってそれを支え、居住者も含めた地域社会の形成に大きな力を発揮することが期待される。  
 そうなった時、初めて豊洲の再生は完成に向かうものと考えられるし、地域再生の本旨にかなうものではないかと考えられる。

<情報把握、参考資料等>
◆下記のヒアリングによる情報把握
・豊洲2・3丁目地区まちづくり協議会
・UR都市機構
・株式会社IHI
・三井不動産株式会社
◆参考資料
「豊洲・晴海開発整備方針及び計画(東京都)」、「豊洲1~3丁目地区まちづくり方針(東京都)」、「豊洲二、三丁目地区計画(東京都)」、「豊洲2・3丁目地区のまちづくり(UR都市機構)」、「豊洲2・3丁目地区まちづくりガイドライン(豊洲2・3丁目地区まちづくり協議会)」、「豊洲2・3丁目地区まちづくり協議会HP」等