第23回 横浜

横浜 東京の隣にして東京にはあらず~20年後を見据えた再開発も~

第23回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~ 
住宅新報2010年9月14日号(16面)掲載
日本不動産研究所 横浜支所
不動産鑑定士  武田信一

最高価格地点を維持

私が幼い頃(昭和50年代)、お出かけと言えば、「横浜髙島屋」(写真①)で買い物をし、おもちゃ売場でちょっぴり駄々をこね、大きな食堂でお子様ランチを食べることだった。同百貨店は当時の概形のまま営業しており、横浜駅周辺の路線価最高地点としての地位を守り続けている。

また、初めて両親と行った映画館「相鉄ムービル」は移転し、跡地は「横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ」(写真②)の一部となっている。ホテル隣接地には「横浜ファーストビル」(写真③)が立地しており、横浜駅周辺のオフィスビルとして最高立地である。

 


横浜駅西口地区 高島屋方面

不況の波 受けやすい

日頃、鑑定評価業務に従事していて、横浜は、東京の隣にして東京にはあらずということを強く感じる。東京都心部の不動産市況の余波を受けやすく、東京都心部で投資対象物件が枯渇すると、横浜は東京の地続きと認識され、中心部の物件が投資対象となる反面、景気が悪化すると、投資家の横浜に対する認識は一地方都市と改められ、急に東京都心部とは隔絶されるのである。

 このような特徴は、地価の変動にも影響を及ぼしている。地価公示の最高地点は横浜駅西口ロータリーの北端部に位置している。バブル絶頂期の平成3年(’91)には2140万であったが下落を続け、昨今のミニバブルを迎えた。平成19・20年(’07・’08)と各年30%以上の地価上昇となったが、平成21年(’09)には下落に転じ、平成22年(’10)は550万である。ただし、平成初期のバブルと比較して、今回のミニバブルでは、概ね収益力に基づく実力の範囲内で地価が推移していたように感じた。投資家サイドの収益力による検証がある程度機能したものと考えられる。

 

横浜駅周辺では、横浜市が主導する大規模な再開発計画「エキサイトよこはま22」が推進されている。当該計画によると、横浜は、国際都市横浜の玄関口として国際競争力のあるまちを目指すとされている。この計画の第1号として、先日、JR東日本と東急電鉄が、駅ビル「横浜シャル」(写真④)と「横浜エクセルホテル東急」(写真⑤)を取り壊し、商業施設とオフィスから構成される高層ビルを建設することを発表した。

「エキサイトよこはま22」が見据えるのは概ね20年後の横浜である。ハマっ子の一人として、東京の隣にして東京にはあらず、横浜らしさを感じるまちとなることを楽しみにしている。

 



JR横浜線、東急東横線横浜駅方面

(次回の第24回:にっぽん「地価一番」物語は『千葉』)

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