第39回 津

工場増設など期待材料も~津市・駅前に新ビル 伊勢神宮前は安定~

第39回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~ 
住宅新報2011年1月18日号(12面)掲載
日本不動産研究所 津支所
不動産鑑定士  守谷 啓市

企業城下町に最高地点

三重県は北勢、中勢、南勢(伊勢志摩)、伊賀、東紀州の5地域で構成される。農業・漁業、観光産業、工業とバラエティーに富んだ希有な県である。
人口は約186万人。最大都市は人口約31万人の四日市市で、県内公示地価の最高地もここにある。県庁所在地は津市で合併前は約16万人で、県庁所在地の中では人口が一番少なかったが、合併により現在の人口は約29万人である。
県内公示価格の最高地は、四日市市の「四日市5-1」である。価格は、平成3年(’91)、4年(’92)をピーク(3.3㎡当たり1,200万円)に18年連続して下落。平成22年(’10)はバブル期の10%水準まで落ち込み、昭和46年(’71)価格をも下回る。

四日市市は、製造業などの主要企業が多く、石油コンビナートが立ち並ぶ臨海工業地帯を擁するが、リーマンショック(2008年9月)は企業に大きな影響を与えた。それは住宅地や商業地にも賃料の低下や空室率増大として表れ、地価にも及んだ。
 企業業績に大きく左右される企業城下町としては、今春竣工予定の東芝第5製造棟の稼働が明るい材料だ。それに伴う人員増加に大きな期待がかかる。賃料の低下、空室率の減少に歯止めがかかり、収益重視が良い方向へ進むことを期待したい。

 


三重県内最高価格地点の四日市市諏訪栄町

 

津は駅前地点と逆転

次に県庁所在地・津市。バブル期までは津駅南方へ約2kmに位置する国道23号沿いの東丸之内「津5-5」が最高地であったが、平成13年(’01)に津駅前の「津5-3」(平成20年に選定替え)に逆転された。現在、「津5-5」はピーク時の約14%水準まで落ち込んでいる。
津駅前では、4月完成を目指して8階建ての賃貸オフィスビルが10年振りに建築中で、駅前の活性化が期待されている。その影響か、ピーク時との比較では約27%の水準に止まっている。

 


県庁所在地・津で建築中の新ビル

最後に、伊勢市。20年に一度行われる式年遷宮を平成25年(’13)に控えた伊勢神宮内宮の門前町である「おはらい町」。その中程の「おかげ横町」には公示地点「伊勢5-3」がある。平成22年(’10)の1㎡当たり価格は21.6万円で、地点選定された平成10年(’01)(1㎡21万円)とほぼ同水準にある。

高速道路料金割引などの恩恵を受け、参拝客は増加傾向にあり、土・日はにぎわいをみせている。この地域は別格で、今後とも安定した価格水準を維持していくであろう。

 


伊勢市の「おかげ横町」

(次回の第40回:にっぽん「地価一番」物語は『金沢』)

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