第42回 福井

中心市街地復活の兆し~駅西口などで再開発が進展~

第42回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~ 
住宅新報2011年2月8日号(16面)掲載
日本不動産研究所 福井支所
不動産鑑定士  宮岡 広英

福井市は室町時代のころには北ノ庄と呼ばれ、街づくりの始まりは柴田勝家の城づくりが始まりといわれている。その後は、丹羽長秀、堀秀政らがこの地に城主として任ぜられた。福井の地名については、北ノ庄から福居となり、江戸時代3代目福井藩主松平忠昌のとき、福井と改められた。

数ある福井の日本一

福井県は小学生の体力、中学生の学力・体力、出身地別社長数、完全失業率の低さ等、多くの日本一がある。その中の一つ、人口千人あたりの自動車保有台数も日本一である。これは女性の社会進出が多いことから、通勤用に各自が一台保有しているケース等により、保有台数が多くなっているものと考えられる。そのため日常生活において、公共交通機関を利用して中心市街地で買い物等をするのではなく、自家用車を利用して、郊外商業施設等へ出かけるライフスタイルが中心となっているのが現状である。このことが、中心市街地の顧客流出の大きな要因の一つと考えられる。

福井市の最高価格地である福井5-2(写真①)は、JR福井駅から西武百貨店を結ぶ大通り(通称電車通り)沿いに位置し、当該通り沿いや背後には、多くの小売店舗、飲食店が建ち並んでいる。福井市においても他の地方都市と同様に、郊外に大型商業施設の進出が相次いでおり、中心市街地周辺の商店街は空き店舗が目立ち、休日でも閑散としていることが多くなっている。その影響も反映して、駅前の福井5-1(写真②)との比較において、平成4年には約35%あった開差(福井5-1:2,300千円/㎡、福井5-2:3,100千円/㎡)が、平成22年では約4%(福井5-1:356千円/㎡、福井5-2:371千円/㎡)と大幅に縮小している。


(写真①)福井市内最高価格地点の「5-2」がある中央1丁目

 


(写真②それに次いで高い「5-1」がある大手2丁目

現在、福井駅西口市街地再開発事業(写真③は予定地)が進められており、住宅・公共施設・商業施設混合の再開発ビルの建築が予定されている。当該ビルには、福井県からもサイエンス施設での参画(科学実験の体験施設やプラネタリウム、恐竜コーナーなど)が予定されているが、当初期待されていたNHK福井放送局の入居が困難になり、計画はやや足踏をしている状況にある。

 

 


(写真③)福井駅西口再開発事業の計画地。住宅、公共施設、商業施設が予定されている

民間の大型ビルも

計画にやや流動的な部分を含むが、当該事業の完成により、既に完成している東口再開発事業施設(アオッサ)と、西武百貨店を結ぶ動線が大幅に強化することが期待される。また、福井駅周辺では、大原簿記専門学校の大型ビルの建築、民間分譲マンションの竣工等、都心回帰の現象も見られ、中心市街地の復活に向けた基盤整備は徐々に進みつつある。

(次回の第43回:にっぽん「地価一番」物語は『広島』)

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