第48回 高松

活力あふれる街へ~丸亀町商店街など再開発への期待~

第48回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~ 
住宅新報2011年3月22日号(24面)掲載
日本不動産研究所 高松支所
不動産鑑定士 冨永 和志

地価、ピーク時の9%

高松市は、四国の北東部、香川県のほぼ中央部に位置する香川県の県庁所在地で、中央官庁の出先機関や大手企業の支店が多く、四国の政治・経済・文化の中枢管理都市として発展してきた。平成11年(’99)4月に中核市に指定され、平成17年(’05)9月及び平成18年(’06)1月に周辺6町と合併し、新高松市になった。現在の人口は、四国第2位の約42万で、ここ数年は微増傾向ないし横ばい傾向にある。
高松市の中心商業地としては、「中央通り」「高松中央商店街」「サンポート地区」等が挙げられる。「中央通り」には、現在の地価公示の最高価格地(高松5-1:高松市磨屋町)が存し、大手生命・損保ビル等が建ち並ぶ四国随一の事務所街を形成している。地価は、平成3年(’91)・4年(’92)に1㎡当たり580万をピークに下落し続け、平成18年(’06)に1㎡当たり54万になった。しかし、平成20年(’08)には、他の中核都市との相対的割安感や中心部商店街の再開発の影響で、1㎡当たり57万円と上昇傾向を示していたが、リーマンショックによる景気の低迷により、投資ファンドが撤退し、需要は弱含みになった。それにより、地価は再び下落傾向に転じ、平成22年(’10)には1㎡当たり52万となった。これはピーク時の約9%の水準である。このような状況の中、オフィスの空室率は、徐々に上昇し20%前後になり、地価の下落傾向はこの1年でさらに拍車がかかり、昨年の下落幅より拡大している。

 


最高価格地がある磨屋町

一方、「高松中央商店街」は、ほぼ全域をアーケードが覆う8つの商店街から成り、総延長約2.7kmで、全国一の長さを誇る。8つの商店街は、常磐町商店街、トキワ新町商店街、南新町商店街、田町商店街、ライオン通商店街、丸亀町商店街、兵庫町商店街、片原町商店街から形成される。
 その中で、丸亀町商店街は、上記商店街の中心であり、南北に延びる延長約470mの商店街をA~Gの7街区に分け、再開発事業が行われている。その北端のA街区は、平成18年(’06)12月に再開発ビル(高松丸亀町壱番街)としてオープンした。このビルは、東館と西館に分かれ、1階から3階までをグッチ・コーチ等のブランドショップも入る商業フロア、4階をカルチャールーム、レストラン等、5階から9階までが住宅となっている。このA街区の北端には日本一の高さのアーケードドームが建設された。B街区及びC街区は、平成21年(’09)8月から平成22年(’10)2月にかけて、高松丸亀町弐番街及び丸亀町参番館として順次オープンした。現在は、丸亀町の最南端のG街区が、既存の建物の解体が終わり、2012年(’24)春のオープンを目指し、着工している。東棟は、店舗・ホテル・駐車場を中心とした12階建、西棟は、店舗・共同住宅・駐車場を中心とした13階建が予定されている。


丸亀町北端のA街区

中心街三様の動き

また、「サンポート地区」は、高松港頭地区総合整備事業として香川県と高松市による高松港周辺を埋立てて出来た地域で、商業施設や公共施設の建設が予定されていた。
平成11年(’99)頃から工事が進められ、平成13年(’01)の新高松駅舎、全日空ホテルクレメント高松が完成し、平成16年(’04)3月には商業施設の核となる高松シンボルタワーが開業した。その後、平成18年(’06)11月に、高松地方合同庁舎が竣工してからは、景気の低迷の影響等もあり、地域の熟成度は上がらず、未利用地が残っている。

このように、高松市の中心となる商業地は、三者三様の様相を呈するが、今後丸亀町商店街の再開発が完成すれば、顧客の誘引力が強化され、地価水準の格差が次第に縮小していき、最高価格地が丸亀町商店街に移る可能性が十分に考えられる。

 

 


サンポート地区のタワー

 

(次回の第49回:にっぽん「地価一番」物語は『徳島』)

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