第51回 松山

小説を生かしたまちづくり~「坂の上の雲」軸に元気さ~

第51回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~ 
住宅新報2011年4月12日号(12面)掲載
日本不動産研究所 松山支所
不動産鑑定士 亀田 武志

国際観光温泉文化都市『松山』

県都松山市は愛媛県の政治・経済・文化の中枢機能が集中する地方中核都市で日本最古の温泉「道後温泉」、天下の名城「松山城」に代表される国際観光温泉文化都市であり、正岡子規を中心に俳句が盛んで俳人のメッカとも言われている。
四国4県の人口400万人のうち愛媛県は約3分の1の143万人、そのうちの約3分の1の51万7千人の人口を要する当市は四国の雄都である。
愛媛県は「伊予の国」と言われ、東予・中予・南予と3つの地区からなり、今回の国勢調査によると5年間で県人口が約3万7千人減少したが、その減少人口に占める割合は南予6割・東予4割で、いかに中予、特に松山市への流入傾向が強まっているかが伺える。

 

松山城
松山城

四国の最高地

松山市の商業の中心は「銀天街」「大街道」と呼ばれる松山中央商店街で「いよてつ高島屋」と「松山三越」の市内で二つだけのデパートを結ぶ約1㎞のアーケード商店街である。
300軒近くの店舗が連たんし、通行量も2~3万人/日と多く、全国的にアーケード街がシャッター街へと衰退傾向が強い中では特筆すべきものと言える。
松山市の最高地はこの「大街道」の中の「松山三越」横に所在し、郊外型SCの進出等により客足がやや流出し下落傾向が続いているが、ラフォーレ原宿松山跡地への再開発ビル計画への期待も高まっており、中心市街地の活性化が課題となっている。

 

松山城
最高地のある「大街道」界隈

松山城

四国4県の最高地の変動状況をみると10年前は松山市が最下位であったが平成16年(’04)以降、現在はダントツの1位となり、四国にあっても松山市がいかに元気のある町であるか、四国の雄都としての地位を確立している。

松山城

小説とまちづくり

現在、松山市は『「坂の上の雲」を軸とした21世紀のまちづくり』を進めており、総事業費約50億円で松山城ロープウェイ新駅舎(平成18年(’06)3月オープン)と坂の上の雲ミュージアム(平成19年(’07)4月オープン)とを結ぶ、通称「大街道ロープウェイ街」をリニューアルし、この通りに存する公示地点は平成19年(’07)地価公示で全国2番目の上昇地点となった。

NHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」も3年間年末に放送され「坂雲ブーム」もピークを過ぎようとしており、今後は九州新幹線の開通が脅威となって四国への観光客の客足が遠のくことが懸念される。しかし、「坂の上の雲」の主人公3人が抱いた高い志と、ひたむきな努力、夢や希望をまちづくりに取り入れた「坂の上の雲のまちづくり」を官民一体となった全国初の「小説を活かした町づくり」として推し進め、いつまでも元気な町『松山』の発展を見つめてゆきたい。

松山城
坂の上の雲ミュージアム

 

松山城
大街道ロープウェイ街

(次回の第52回:にっぽん「地価一番」物語は『丸の内』)

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