第4回 神戸

代表は芦屋「六麓荘町」 ~「豪邸条例」で街並み維持~

第4回全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~ 
住宅新報2011年5月17日号(12面)掲載
日本不動産研究所 神戸支所

富裕層の郊外住宅

 兵庫県内の近年の地価は、リーマンショック以降、商業地・住宅地ともに下落基調で推移していたが、人気の住宅エリアから徐々に回復の兆しがあり、平成23年(’11)の地価公示では芦屋市の住宅地で上昇するポイントも見られた。
 兵庫県内には「芦屋」・「岡本」・「夙川」・「西宮」など関西でも人気の住宅地が数多くあり、誰もが一度は住んでみたいと思う住環境良好なエリアである。その人気の歴史は、古くは明治時代までさかのぼり、当時神戸は東洋最大の港湾都市として栄えていたが、大阪湾沿岸の産業拡大により、既成市街地の住環境が悪化したため、富裕層の郊外への移住が始まった。また、このころ都市間電車の建設が相次ぎ、明治38年開通の阪神電気鉄道本線を皮切りに、阪急電鉄各線等が順次開通し、快適な住環境創造を目的とする郊外住宅地の開発が、鉄道沿線であるいわゆる阪神間において進められ、瞬く間に高級住宅街として整備されていったのが始まりである。

 この中でも日本有数の高級住宅街といえば「芦屋」であるが、ひときわ目立つのが「六麓荘町」である。「六麓荘町」は芦屋市の北東部に広がる約38haの瀟洒な住宅街である。その地名は「風光明媚な六甲山の麓にある別荘地」に因むと言われており、香港島の白人専用街区などをモデルに開発されたという街並みは、豪邸ばかりで見る者を圧倒する。バブル時の地価は坪500万円とも700万円とも言われ、いずれにしても当時の関西の住宅地では破格の値段であった。また、「六麓荘町」最大の特徴は「六麓荘町町内会」という自治会を組織し、環境・景観保護のために、独自の建築協定を設けて屈指の高級住宅街の維持に努めてきたことであり、建物新築時には町内会の承認が必要となる。その後、ミニ開発の活発化等を憂慮した住民の要望により、建築協定が条例に格上げされたが、内容は最低敷地面積400㎡以上、高さ10m以内、用途は戸建住宅に限定する等、結果として豪邸の建築が義務付けられていることから、ちまたでは「豪邸条例」とも呼ばれている。


六麓荘「建築協定看板」

 


六麓荘「街並み」


六麓荘「旧六麓荘の入口にある石柱」

 


六麓荘「旧六麓荘の入口にある石柱」

神戸では都心再開発

 このほか新規開発としては、兵庫県を代表する政令指定都市の神戸市において、JR「三ノ宮」駅東側で「旭通4丁目地区第一種市街地再開発事業」が進められており、約1haの土地には54階建の住宅・店舗・事務所・ホテル等からなる複合施設を建設中であり、平成25年(’13)3月の竣工を予定していることから、開業後の益々の発展が期待される。


超高層再開発ビルの建設現場

 

(次回の第5回:全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~は『奈良』)

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