第11回 宮崎

観光・交通の「起点」に ~賑わい創出、市全体の活力へ~

第11回全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~ 
住宅新報2011年7月5日号(14面)掲載
日本不動産研究所 宮崎支所
不動産鑑定士 西村 哲治

商工会議所が主体で

 宮崎駅西口では中心市街地活性化及び交通結節機能強化を目的として、宮崎商工会議所グループを事業主体とする宮崎駅西口拠点施設整備事業が進められている。宮崎駅西口に複合交通センターを整備するという構想自体は平成元年(’89)に打ち上げられたものであり、構想から約20年が経過した平成22年(’10)4月、ようやく複合ビル及び立体駐車場の建設工事の着工が行われ、総事業費約47億円・地上14階建の複合ビルが今秋完成する予定である。


宮崎駅西口で建設中の拠点施設整備事業による複合機能ビルの全景

 


正面から見た光景

 

 

 

 予定されている建物は建物延べ面積約2万㎡の複合ビルで、宮崎駅西口の駅前に存する市有地及び県有地に事業用定期借地権を設定した土地上に建設される。1階から3階は路線バス・高速バスターミナルを併設するバスセンターや物販・飲食・サービス業などのテナントが入居するエリアであり、3階には市民サービスフロアとして、託児コーナーや図書館サービスコーナー、ビジネス情報コーナーなどが設置される予定である。4階から7階には宮崎商工会議所などがテナントとして入居予定のオフィスエリアであり、宮崎市内のビジネスエリアにおけるオフィス床としては久しぶりの大量供給となるため、建物竣工時に好稼働の状態でスタートできるかが注目されるところであるが、平成22年(’10)6月時点で、既に9割のテナントについての入居が決定しているとのことである。8階から14階にはJR九州ホテルがオープン予定である。また、北側隣接地には4階建の立体駐車場(収容台数は470台)が整備される。

 


複合機能ビルの北側隣接地に建設中の4階建て駐車場棟

 この事業に当たっては、平成20年(’08)6月に宮崎商工会議所グループが特別目的会社(SPC)「宮崎グリーンスフィア株式会社」を設立し、その後平成21年(’09)11月に同SPCを資産流動化法に基づく特定目的会社(TMK)「宮崎グリーンスフィア特定目的会社」に移行のうえ、同TMKが事業主となって事業を進めている。

「来てん」の願いも

平成22年(’10)3月には国交省がTMK の民間都市再生整備事業計画を認定し、MINTO 機構(財団法人 民間都市開発推進機構)による出資が実行されている。新聞報道などによると、MINTO機構は総事業費のうち約12億円を出資しており、宮崎商工会議所の会員企業十数社が約14億円を出資、残りを地元金融機関などの協調融資で確保するとのことである。
 複合ビルの施設愛称について公募を行ったところ、「KITEN(きてん)」という愛称に決定した。命名の理由として、宮崎弁で「来てください」の意味をもつ「来てん」と、宮崎の陸の玄関口である宮崎駅は観光・交通の「起点」であるということで、新しい複合ビルについても皆が集まり賑わう場所(起点)になってほしいとの願いが込められている。
 この施設の完成によって、宮崎駅の交通拠点としての機能強化並びに駅周辺の商業地としての魅力が向上することと相まって、同施設が宮崎市における中心市街地活性化の起爆剤としての役割を担っていくことが期待されるところである。

(次回の第12回:全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~は『大分』)

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