第15回 佐賀

暴利と無縁の「清い心」 ~342年の歴史 まちおこしの一助に~

第15回全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~ 
住宅新報2011年8月2・9日号(16面)掲載
日本不動産研究所 佐賀支所
不動産鑑定士 寺山 三男

苦肉の小規模分譲

 佐賀県の地価はバブル崩壊以降、長い期間、下落傾向にある。高齢化やこのところの不況に伴う雇用不安などが原因で、平成3年(’91)~4年(’92)頃から不動産の需要は減退したまま現在まで続いている。更に、人口構成において高齢化の流れは止められず、そう言う意味では、両親が不動産を持っている子供世代は、判断が難しい時代になって来ている。
 しかし、商業地の価格も住宅地の価格も下落傾向にあるものの、個々に需要を開拓する動きは出ている。ターゲットを若者向けにしたり、総額を安くしたりするなどの工夫をしながら買い手の方が、幅広く好みに合う物件を選びやすい小規模な分譲等が開発されている。
 一部の住宅関連企業では、中心部のちょっとした空き地に分譲地を開発したり、買い易いように若い年齢層向けに規模を小さくして価格を抑えたり等、買い手の消費意欲を刺激しようという対策を打っている。また、市街化区域に近い市街化調整区域で50戸連たんする分譲地の開発も坪10万円程度と安い価格で売られている。

現在425体まで増加

 佐賀市は、平坦地で、病院、商業施設などが集まったコンパクトな都市だが、佐賀の恵比須さんは現在約425体あるとのことで、まだまだ増え続けている。2代目佐賀藩主、鍋島光茂公の時代である1669年に佐賀郡川副村光法の西宮社に「西宮大明神」と刻まれた文字恵比須が建立されたのが佐賀の恵比須の始まりといわれており、342年の歴史があり、数が多いことでも全国的に珍しい(日本一?)といわれている。
 山や川と生活を共にして、その守り神である「えびっさん」を街のあちこちにお祀りして漁業、商売繁盛、家内安全の神様として崇め親しんできたといわれており、風折鳥帽子に釣り竿と鯛の姿は「釣りして網せず」と暴利をむさぼらない清い心を象徴している旨説明されている。
 郊外大型店舗の進出により地域状況が様変わりしたことは佐賀市でも同様であり、佐賀市中心市街地の再生、活性化の一つとして、民間主導の“恵比須再発見”が、まちおこしの一助になればとの動きがあり、静かな期待が寄せられている。
 下の写真はJR「佐賀」駅のホーム内に建立されている「旅立ち恵比須」だが、建立時には「鯛ではなくムツゴロウを抱いてもらったら?」とか色々の議論のすえ、小脇に鯛を抱える伝統の姿になったとか。「旅立ち恵比須」は、人生の旅立ち支援・旅の安全の応援・宝くじ運を引き寄せる役目等を担って鎮座されているとのこと。


「JR佐賀駅」

 


JR佐賀駅のホームに鎮座する「旅立ち恵比須」


「旅立ち恵比須」の説明書き

 


その数は「日本一」との解説文

 その他の全ての恵比須さんにお話があるそうです。
 佐賀市内に来られる時は、是非、ひっそりと座っておられる「えびっさん」にも目を向けてみて下さい。

(次回の第16回:全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~は『北九州』)

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