第16回 北九州

再開発で施設整備進む ~人の流れや運営に課題も~

第16回全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~ 
住宅新報2011年8月16日号(12面)掲載
日本不動産研究所 北九州支所
不動産鑑定士 木村 修二

祭りに100万都市の名残

 北九州市は福岡県の北東端に位置し、福岡県内2位の97万5千人弱(推計人口7月1日)の人口を有する政令指定都市である。昭和38年(’63)に旧5市合併で誕生し、3大都市圏以外で初の政令指定都市となり、現在でも府県庁所在地以外では西日本最大の都市である。
 古くは1901年開業の官営八幡製鉄所を初めとする大工場が沿岸部に建ち並び、北九州工業地帯と呼ばれてきた。
 地方都市にありがちな人口減少に当市も悩まされており、減少の度合いは急である。戦前は福岡市より人口が多かった時期もあり、非常に栄えていただけに、衰退傾向が顕著である。毎年8月に市中心部で開催される夏祭りは「わっしょい百万夏まつり」と言う名称で、人口が100万人以上であった頃の名をとどめている。


北九州市の人口推移

 

 JR小倉駅は、昭和50年(’75)に山陽新幹線が開通した当時から新幹線停車駅であり、当市の顔となってきたところである。
 小倉駅南側は、日本最古のアーケード商店街と言われる「魚町銀店街」があり、幹線道路沿いにはオフィスビルも建ち並び、小売り店舗街およびオフィス街としての性格を有する市内一の商業地域である。 
 一方、小倉駅北側(浅野1~3丁目)は、平成5年(’93)にリーガロイヤルホテル小倉が開業し、北九州市が開発したAIM(アジア太平洋インポートマート)、北九州国際会議場、西日本総合展示場など、コンベンション機能、商業、業務、サービスなど総合的な都市機能を持った地域として整備されてきたところである。また近年ビジネスホテルも3棟開業するなどしている。

 しかしAIMは空室も多く、大テナントの大塚家具が撤退(平成21年(’09)5月)するなど厳しい運営が続いており、JR小倉駅北側は日中でも通行量は少なく、閑散としている。
 そこへ昨年末に、循環器系医療で全国的に有名な小倉記念病院(ベッド数658床)が小倉北区貴船町から移転して来た。同病院はまさに大病院、と言う堂々たる風格で、いつか映画やドラマの病院のシーンのロケに使われそうな雰囲気を持っている。

 


昨年末、小倉駅北側地区に開業したばかりの小倉記念病院

 


周辺位置図

市のてこ入れ策

 昨年11月には住友金属工業が所有する駐車場を、地元サッカーJ2チームのギラヴァンツ北九州のホームグラウンドとなるサッカースタジアムの建設候補地とする、と報道され、現在詳細を検討中である。
 さらに北九州市は小倉駅北側のてこ入れのために、現在空きビルとなっている旧ラフォーレ原宿小倉に漫画ミュージアムを開業するとしている。

 上記病院の移転は地元から大きな期待を受けていたが、現在のところ通行量に大きな変化はなく、周辺のホテルの稼働率も厳しいまま、とのことである。
 新幹線停車駅の駅前であるのに、長らく人の流れが寂しかったJR小倉駅北側に人の流れが向かうのか?今後の動向に注目である。

(次回の第17回:全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~は『神奈川(川崎)』)

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