第19回 さいたま

埼玉の活力の源は国道16号にあり!! ~将来人口の7割が集中~

第19回全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~ 
住宅新報2011年9月6日号(12面)掲載
日本不動産研究所 さいたま支所
不動産鑑定士 伊藤 聡

 

 国道16号は千葉県、埼玉県、東京都、神奈川県をぐるりと結ぶ主要国道で、埼玉県内をみると、東部は春日部市から西部は入間市までを通過しており、県内の南東部に位置し、都心から約40kmの圏域に位置している。

 
 埼玉県内の高速道路は関越自動車道、東北自動車道、常磐自動車道が南北に、東京外環自動車道、圏央道が東西に縦断しており、国道16号は東京外環自動車道と圏央道の間に位置し、高速道路網が整備された現在でも変わらず重要な道路としての使命を果たしている。

 
 一方、国道16号以南の地域の鉄道網をみると、JRでは、京浜東北線、埼京線、高崎線、宇都宮線、上越新幹線、東北新幹線等が南北に、武蔵野線、川越線が東西を結んでいる。私鉄では、南北に西武池袋線、新宿線、東武東上線、伊勢崎線が整備され、東西に東武野田線が走る。さらに第3セクター運営によるターミナル大宮駅発着のニューシャトル、浦和美園駅発着で東京メトロの地下鉄南北線と繋がる埼玉高速鉄道がある。このように、東京都心からみて国道16号に至るまで扇子を広げたように交通網が整備され、利便性は高い地域といえる。

 国道16号に接する市町は24市町あり、その人口は平成27年(’15)埼玉県全体の予測は7,034,926人であるのに対し、該当する24市町の人口は4,917,716人で、市町村の数では約38%であるが、人口では全体の約70%を占める。
 埼玉県全体では平成22年(’10)が人口増加のピーク時であったが、平成27年(’15)以降人口が増加する市町の数字は64市町村のうち15市町で、このうち国道16号以南又は16号に接する市町の数は12と、東京よりに重心を移す傾向にある。

 平成22年度(’10年度)埼玉県地価調査による基準地価格の市区町村別・用途別平均価格を基に、埼玉県全体の宅地の地積を乗じ、市区町村毎の宅地価格を求めると、該当する24市町の県全体に占める比率は約72%である。このように人・物・資金が当該地区に集積しており、埼玉県内では圧倒的な経済力を示している事が理解出来る。すなわち当該地区は経済の好不況により、不動産市場の需給動向に即反応し、地価動向の上昇・下落をハッキリ示す傾向にある。

 例えば、当該地区の不動産市場でも特に工場・物流を除いた、オフィス・店舗・住宅(マンション・戸建)へ多くの資本投下が見られ、特に郊外型ショピングセンターへのそれは旺盛で、ここ数年では入間市に出店した「三井アウトレットパーク入間:平成20年(’08)4月開店・店舗面積約30,000」、及び日本最大級のショッピングモール越谷レイクタウン「イオンレイクタウン:平成20年(’08)10月開店・店舗面積約245,000」、「レイクタウンアウトレット:平成23年(’11)4月開店・店舗面積約27,000」が特に目を引く。

表①:国道16号以南又は16号が通過する市町村の総人口


(※クリックすると拡大します)
出典「国立社会保障・人口問題研究所」

 

表②:国道16号以南又は16号が通過する市町村の宅地価格


(※クリックすると拡大します)


平成20年(’08)に入間市に開業した「三井アウトレットパーク入間」

 


越谷市にある日本最大級の商業施設「イオンレイクタウン」

 今後も国道16号以南では、埼玉高速鉄道の東武野田線岩槻駅までの延伸計画に伴う事業や春日部市下柳地区にショピングモール等(仮称:インセンスモール)の大規模開発が予定されており、今後も人・物・資金の投入が行われる見込みで、このことからも、国道16号以南は、埼玉県の活力の源としての存在感を示してゆくものと思料する。

 

(次回の第20回:全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~は『水戸』)

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