第20回 水戸

復興にはなお時間と費用 ~水戸の賑わい、駅南に移動~

第20回全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~ 
住宅新報2011年9月13日号(12面)掲載
日本不動産研究所 水戸支所
不動産鑑定士 鈴木 眞一

東日本大震災の影響等

 平成23年('11)3月11日に起きた東日本大震災から約6カ月が経過しようとしているが、茨城県内における被災状況の特徴には以下の三つが考えられる。
 まず一つ目は、海岸線での津波による被害が大きかったことである。特に茨城県内の重要港湾である茨城港(日立港、常陸那珂港、大洗港)と鹿島港の専用バース、公共埠頭等の船舶の接岸施設の損傷が大きく、一時は港湾の機能が停止状態になったところもあった。
 二つ目は内陸部では地震により古い市役所、体育館等の公共施設が一部損壊又は崩壊の危険にさらされたことである。特に水戸市役所、高萩市役所、日立市役所等の本庁舎が使用不能となり、支所に分散して業務を行う状況になった。
 三つ目は福島原発事故による放射能汚染の風評被害が起きたことである。特に漁業、農業、観光業においては商品の出荷停止、観光客数の激減等があり、業務の遂行が不能となった。
 この6カ月の間にこれらの被害の復興については急ピッチに進んでおり、港湾関係は修復が進み生産活動が再開しているところも見られ、市役所等の機能も庁舎の建て替え計画が進められており、商品出荷の停止解除がされている品目もある。
 しかし、完全復興のためには相当の時間と費用を要することが予測される。

水戸市の中心商業地

 水戸市の中心商業地はJR「水戸」駅北口至近にある「マイム」(地価公示番号:水戸5-7)で、平成23年('11)1月1日現在で1当たり37.3万円(昨年比-5.8%)である。

 同駅北口側にある旧リヴィン水戸店が平成21年('09)3月に閉店した。

 


水戸駅北口駅前にあるMARUI

 


閉店した旧「リヴィン」建物

 また、同駅北口側の商業地域においては閉店や事務所ビルの旧式化に伴う空室率の増加等により空洞化が進行しており、地価も引き続き下落が続いている。
 一方、同駅南口広場に水戸駅ビル「エクセル南」が平成23年('11)6月にオープンし、ビックカメラをキーテナントとして茨城の土産物店、飲食店、小売店が居住し、若年層を中心に集客力を高めている。


南口に開業した駅ビル

 


キーテナントのビックカメラ

 また、このエリアは広い駐車場を有するホテル、水戸サウスタワー(ヤマダ電機等)、コムボックス310(映画館、ホテル等)等が建ち並ぶホテル及び店舗地域であり、繁華性が高まっている。
 水戸駅北口丸井水戸店前2Fと水戸駅南口2Fとの通行量比は日曜日で約2倍、月曜日で約2.6倍程度南口の方が多い結果が出ている。
(資料:水戸市調査、別紙参照

 したがって、今後益々同駅の南・北口の地価水準の格差が縮小していき、近い将来には最高商業地が水戸駅南口に移る可能性が高いと予測する。
 今後の水戸市商業地域の復興、発展のためには県外からの観光客が増えることが期待されており、水戸駅北口付近には水戸黄門、助さん、格さん像が、同南口には水戸の納豆記念碑があり、観光客を暖かく迎えている。


観光客を出迎える水戸黄門像(駅北口)

 


名物・納豆の像(駅南口)

 

(次回の第21回:全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~は『栃木』)

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