第23回 新潟

公共交通機関の未来像「新たな交通システム」 ~車依存を抑制 中心部を“日”の字に結ぶ~

第23回全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~ 
住宅新報2011年10月4日号(24面)掲載
日本不動産研究所 新潟支所
不動産鑑定士 塚田 栄二郎

 

 新潟市は80万人規模の都市の割にはマイカー利用率が高く、車依存が街の特性となっている。郊外型大規模商業施設へはもとより、ラブラ万代(市中心部の大規模商業施設)などの中心商業施設へもマイカー利用が多い。

 


万代地区

 新潟市では中心市街地の活性化、公共交通機関の利用増を狙って、新潟駅南口広場整備事業(供用済)、万代広場整備事業・高架下整備事業(未着手)などの新潟駅周辺整備事業や、新潟駅~古町のワンコインバスなどの施策を行っているが、目玉として「新たな交通システム」の導入が検討されている。

 


古くからの市内最大の中心商業地・古町地区

 「新たな交通システム」の大々的な周知活動は未だなされておらず認知度は低いが、市に新交通推進課が設置され、平成22年('10)に立ち上げられた導入検討委員会による近時の報告書では「可能な限り早期に」導入するとされるなど、準備は着々と進んでいる。
 新潟市の「新たな交通システム」は、中量の輸送システムで、モノレールやLRT(Light Rail Transit。次世代型路面電車システム)、BRT(Bus Rapid Transit)をいい、これらのうち早期導入に当たってはBRTが最有力視されている。BRTは在来バスを高度化した交通システムで、低床型の高機能バス(2両連結の連接バス等)が専用レーンを走行する。郊外から専用レーンへの乗り入れが可能で、建設期間が比較的短く、事業採算性や公費負担額の面で優位であるなどのメリットがある。一方、モノレール、LRTはシンボル性が高いものの、高額な事業費、長期の建設期間がネックとなっている。
 導入ルートについても検討が行われている。新潟市の中心商業地である新潟駅北口、万代地区、古町地区を結ぶ柾谷小路上を走り、最も利用需要が多い区間A1(新潟駅~万代~古町~市役所)が最優先整備区間で、この区間A1とA2(新潟駅~鳥屋野潟)、A3(市役所~白山駅)を併せたA区間が優先整備区間となっている。


新潟市が描く新交通システムのイメージ図

 


新潟市の玄関口、新潟駅北口駅前大通り

 このほかに区間B1(白山駅~関谷昭和町)、B2(関谷昭和町~県庁~鳥屋野潟)、C(新潟駅~県庁)があり、全て完成すれば市内が“日”の字型で結ばれることとなる。
 導入シナリオとしては、最優先整備区間(A1)へのBRTの早期導入を目指すとし、その後は環境の変化を踏まえて、LRTへの移行可能性も含め、次のステップの見通しを判断するとされ、システムとルートに応じて複数のパターンが検討されている。
 導入が成功すれば、マイカー利用抑制、公共交通利用促進、高齢者の移動手段の確保、環境負荷の減少といった効果が現れることとなろう。さらに、中心市街地の活性化、観光への寄与、他の地方都市への波及効果も期待される。

 

(次回の第24回:全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~は『山梨(富士北麓)』)

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