第28回 北海道(ニセコ)

世界のリゾート地を目指すニセコ~豪資本契機に開発進む~

第28回全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~ 
住宅新報2011年11月8日号(16面)掲載
日本不動産研究所 北海道支社
不動産鑑定士 幸田 仁

 ニセコリゾートエリアは、札幌から車で約90分の距離にある倶知安町及びニセコ町にまたがるニセコアンヌプリ(標高約1,308m)と羊蹄山(標高1,898m)に囲まれたエリアである。
 ニセコエリアはもともと平成15年(’03)頃からオーストラリア人を中心に注目が集まり、ニセコアンヌプリのパウダースノーを求めて年々スキー客が増加した。オーストラリア人の増加はラフティングなどのアウトドアスポーツの事業を起こした在住オーストラリア人の口コミがきっかけとされている。
 徐々にリゾート地としての魅力が広がったニセコリゾートエリアに、リゾートビジネスを行うオーストラリア資本の企業が参入し、リゾート開発を手がけてきた「北海道トラックス」はニセコヒラフの「山田地区」を中心にコンドミニアムを建設してオーストラリア人向けに宿泊施設を提供するというビジネスモデルを持ち込んだ。
 その後、オーストラリア人を中心としていたスキー客も、3~4年前からはアジア(香港、台湾、シンガポールなど)の外国人が増え、ニセコリゾートエリアのコンドミニアム、別荘開発もオーストラリア人向けからアジアの富裕層等をターゲットにした開発が進んでいる。
 外国資本の参入として例を挙げると、ニセコひらふの東側に位置する「花園地区」では、香港資本の不動産開発会社PCPD資本の日本ハーモニーリゾート株式会社による大規模なリゾート開発が進められている。花園地区ではホテルや温泉旅館、コンドミニアムなどを15年程度かけて開発するようである。
 また、ニセコ町のアンヌプリ国際スキー場入口付近では、香港資本の不動産開発投資会社「アンヌプリランド」が、ホテル、コンドミニアムなどで構成する高級リゾート「カペラニセコ」を平成24年(’12)8月開業を目標に平成22年(’10)9月に着工している。
 このほか、マレーシア資本のYTLが、ニセコビレッジの運営会社を買収し、世界水準の高級リゾート地としての開発を掲げており、今後10年間で数億ドルを投じ、富裕層向けのコンドミニアムのほか、戸建別荘建設も検討している。
 同じくマレーシア資本のエーピーエル・ニセコ・プロパティ特定目的会社がニセコひらふ地区にコンドミニアム型ホテルを新設し、平成23年(’11)4月に着工している。
 さらに、ニセコヒラフに近い山田地区では国内資本が観光ホテルを着工しているなど、ニセコリゾートエリアでは、国内外の資本が入り乱れながらコンドミニアムや観光ホテル等の建設がすすめられている。 


ニセコ山田地区に建てられたコンドミニアム

 


来道外国人は減少傾向

 北海道における外国人の来道者数は、平成19年度(’07年度)をピークに平成21年度(’09年度)まで減少しており、東日本大震災及び福島原子力発電所の事故、さらには急激な円高により外国人の来道者数は今後もしばらくは厳しいことも懸念される。しかし、ニセコ地区は短期的な不動産投資というよりも、長期的かつ世界的なリゾート開発を各開発会社が目指していることもあり、今後も開発は続けられていくと思われる。


「来道外国人の推移」
北海道経済部観光局のデータを基に作成

 

(次回の第29回:全国まち・住宅・不動産 ~話題のスポット~は『名古屋』)

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