第2回 青森

全国の地価情報

新幹線が運んでくるものは・・・?

~「コンパクト・シティ」は功を奏するか?~

第2回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~
住宅新報2010年4月13日号(12面)掲載
日本不動産研究所 青森支所
不動産鑑定士 杉本裕昭

「結集!青森力」

平成22年12月東北新幹線が全線開業し、いよいよ青森市にも新幹線がやってくる。青森県では、「結集!! 青森力」を統一スローガンに掲げ、あらゆる分野への経済効果に期待を寄せている。

青森市の中心市街地は、新幹線「新青森」駅から北東方へ約4km離れ、JR「青森」駅から東へ延びる新町通り沿いにさくら野百貨店(写真①)を中心に店舗が集積する新町商店街で、ここに青森県の地価最高地(青森(県)5-1 写真②)はある。

新町商店街は「一店逸品運動」「宅配サービス」等多くの商店街活性化事業を実施し、経済産業省の「がんばる商店街77選」にも選ばれるなど、地方都市の中では元気な商店街である。

「中心市街地活性化基本計画」が全国第1号に認定された青森市は、「コンパクト・シティ」の実現に向け、新町商店街に賑わいをもたらすべく平成12年に「パサージュ広場」、平成13年に公共施設と物販・生鮮市場が入居する第三セクター再開発ビル「アウガ」(写真③)、平成23年1月(予定)には、新幹線観光客を中心市街地に取り込むべく、ねぶた関連の博物館「ねぶたの家ワ・ラッセ」をJR「青森」駅近くにオープンさせるほか、郊外大型店舗の進出が跡を絶たないことから、平成18年に1万㎡を超える大型店舗の立地を制限する条例を制定するなど、中心市街地の活性化に力を入れている。

しかし、青函連絡船の廃止や老舗デパートの閉店、「イトーヨーカドー」「ガーラタウン」「ドリームタウン」等郊外大型店舗の開店、さらにはインターネット通販の拡大等により、新町商店街の人通りは減少し、空き店舗も目立ってきた。前記の再開発ビル「アウガ」も、売上の低迷から経営難が続いている。最高地の地価も平成4年の1,630,000を最高に下落の一途をたどり、平成21年には275,000とピーク時の2割にも満たない水準まで落ち込んでいる。

 


写真:青森市の新町商店街


写真:再開発ビル「アウガ」

 

八戸市での先例

新幹線の開業を期に地価下落に歯止めをかけたいところではあるが、平成14年12月一足先に東北新幹線「はやて」が開通した八戸市では、大都市との時間距離の短縮により、専門品や嗜好品等の購買力が仙台や東京へ流出するストロー効果が生じ、中心街の地価下落に拍車が掛かった実例もある。

東北新幹線全線開業で県内への観光入込客は増加するが、果たして青森市の中心市街地は再び輝きを取り戻せるのであろうか?

 

 

 

 

(次回の第3回:にっぽん「地価一番」物語は『盛岡』)

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