第3回 盛岡

老舗の閉店、まちの顔は~“都市型直産”などで打開策も~

第3回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~                                                   
住宅新報2010年4月27日号(12面)掲載
日本不動産研究所 盛岡支所
  不動産鑑定士 城石雅彦

空き店舗増える

今年2月、創業60年を迎えた老舗電器店(写真①)が閉店し、盛岡の大通商店街から物販の灯がまたひとつ消えた。プレイガイド事業も手掛け、市民にはなじみの店舗であった。

大通商店街は、盛岡駅東口側の北上川の開運橋方面から岩手公園に至る全長約600mの商店街。片屋根式のアーケードを設置し、日曜日には歩行者天国も実施され、人通りが多く賑わいのある盛岡一の繁華街として確固たる地位を築いているが、近年、誰でもが感じる変化が進んでいる。

物販の老舗が経営不振や後継者難などで閉店、代わって多種多様な居酒屋や飲食店の進出が増え、特に全国チェーンが目立つようになった。人通りは減少しつづけ、中心商店街の求心力も弱まり、空店舗も徐々に増えている。

この大通商店街のほぼ中央に位置する地価公示の最高価格地(写真②)は、平成4年の1㎡当たり174万円を最高に18年間下がり続け、今年は38万円とピーク時のほぼ2割の水準まで落ち込んだ。下落率は前年の△7.5%から今回は△13.4%と拡大し、下げ止まりの兆しは見えない。

 


閉店した創業60年の老舗電器店


盛岡市の地価公示最高価格地

 

盛岡市の状況は、ここ10年で大きく変わった。盛岡駅西口方面で進む盛岡駅西口地区(35ha)および盛南開発地区(313ha)の区画整理事業は市街地の拡大をもたらし、さらに平成15年に郊外の前潟地区にイオン盛岡ショツピングセンターが、平成18年に盛南開発地区にイオン盛岡南ショッピングセンターが相次いでオープンし、中心商店街に大きな影響を与えている。

盛岡市では、中心市街地活性化に向け、平成20年7月に「盛岡市中心市街地活性化基本計画」を策定し、国の認定を受けた。

「らしさ」はどこへ


活性化策を展開するクロステラス盛岡

事業の一環として、大通商店街の入り口に都市型産直をメインにしたクロステラス盛岡(民間開発-写真③)が昨年10月にオープンしたほか、まちの賑わいを取り戻そうとフラワーバスケット事業・空店舗活用促進事業・盛岡スクエア事業などの活性化策を展開しているのだが・・。

「大通りには欲しいもの(店)がない。飲み屋が増え夜の街になった」との声も聞く。
中心商店街の変化は、「盛岡らしさ」を失わせるものともいえる。

「時代の流れ」と言えばそれまでだが。

(次回の第4回:にっぽん「地価一番」物語は『秋田』)

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