第4回 秋田

全国の地価情報

再開発事業へ寄せる期待と不安~「にぎわい創出」果たせるか~

第4回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~                                                   
住宅新報2010年4月27日号(12面)掲載
日本不動産研究所 秋田支所
不動産鑑定士 國松 了

「大型店撤収」報道


秋田市の表玄関・秋田駅前(①が最高価格地)

秋田新幹線「こまち」の終着駅である秋田駅の西口を出ると、駅前広場に面して商業ビルやホテルが建ち並んでいる。人口約33万人を擁する秋田市の表玄関である。その一画にあるイトーヨーカドーが、秋田市の最高価格地点(地価公示:秋田5-1 写真①)である。当該地点の今年1月1日時点の価格は1㎡あたり24万円で、これは平成5年のピーク時(1㎡あたり190万円)から87%もの大幅な下落となっている。地価の下落はいまだ底が見えない。

今年1月に地元紙で掲載された記事が、市民の不安を煽った。このイトーヨーカドーが「今年11月までで営業を終了し、撤退する方針である」との報道である。

駅前広場周辺には商業施設が集積しているが、少し市内に足を踏み出せば多くの青空駐車場やシャッターが閉ざされたままの店舗が目につき、人通りも少ないことが感じられる。駅前の中核をなす店舗のひとつが無くなるとすれば、更なる衰退を招きかねない。

 
ようやく動き出す日赤・婦人会館跡地再開発地区(②)

そんな秋田市内で現在注目を集めているのが、「中通一丁目地区第一種市街地再開発事業」(通称:日赤・婦人会館跡地再開発 写真②)の動向だ。秋田駅から徒歩約7分、1998年(平成10年)の秋田赤十字病院の移転から11年余のあいだ空地になっていた土地を中心とした約1.7ヘクタールの敷地。

そこに、美術館、商業施設、集合住宅、にぎわい交流館、駐車場、広場などを整備し、中心市街地の「にぎわい創出」を図ろうとするものである。総事業費約147億円のうち、8割超が国、県、市による公費によってまかなわれようとしている。

地元に複雑な思い

この再開発事業については地元市民の反対の声も多く寄せられ、秋田県議会でも様々な議論が行われてきている。
それら意見の多くは、「多額の税金を費やし、はたして街中に再び人々を呼び寄せることができるのだろうか」という不安な気持ちと、「このまま手をこまねいていて県都である秋田市の中心部を更なる衰退にさらして良いのか」という危機感とが絡まり合った複雑な心境が表出された結果だろう。
再開発事業の推進によって、秋田市の中心部にどのような影響がもたらされるのか、その結果が見えてくるのは施設が完成する2012年(平成24年)春以降となる。

(次回の第5回:にっぽん「地価一番」物語は『山形』)

この地区の事業所はこちら

全国の地価動向マップはこちら

このページの先頭へ戻る