第6回 福島

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核店舗撤収後をどうする~賑わい回帰へ施設活用検索~

第6回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~                                                   
住宅新報2010年5月11日号(12面)掲載
日本不動産研究所 福島支所
不動産鑑定士 松本篤志

郊外への進出と移転

福島市は、人口約29万人の県庁所在地で、かつて日本銀行福島支店が存在していることでもわかるように、日本経済を支えた養蚕のまちであり県内一の賑わいを見せていた。そのシンボル的存在であった百貨店「中合」(写真①)は、前身の「中村呉服店」があった旧国道4号(旧奥州街道)沿いから商業中心の移り変わりなどで現在はJR福島駅東口駅前に店を構える。

その「中合」のある駅前通り沿いの地価公示福島5-2(写真②)は、福島市における最高価格地点である。ところが、このエリアは金融機関など法人企業の支店・営業所の統廃合や大型店舗の郊外進出、あるいは福島大学や県立医科大学・付属病院の郊外移転などにより人通りと商店が減少。平成5年(’93)から18年連続下落している地価は、平成22年(’10現在)に1㎡当たり23万円となっている。魅力の失われた中心市街地は、空地の駐車場化やマンショ ン化が進行し、休日は閑散としていることが多くなった。

福島県における最高価格地点は福島市ではなく、県のほぼ中央、交通の要衝の地であり経済県都である人口約34万人の郡山市に移っている。その郡山市もJR郡山駅西口駅前の「丸井郡山店」(写真③)が平成20年(’08)2月に閉店してから2年が過ぎた。4年ほど前に6車線から4車線に車道を狭め、歩道を広げ、リニューアルされたアーケードのある駅前大通りも人通りはまらである。

昭和50年(’75)に西友・丸井・ダイエーなど3大型店が一挙にオープンし、地元店との商業戦争、黒船来航とも言われた繁栄は過去のものとなった。駅前大通り沿いの地価公示郡山5-11の今年の土地価格は、平成5年(’93)の10分の1以下の1㎡当たり36.4万円まで下落している。

 


写真①:福島市のシンボルである「中合」


写真②:福島市最高価格地点


写真③:2年前に撤退した「丸井郡山店」 

こうしたなかで現在動向が注目されるのは、中心市街地におけるキーテナント撤退後の大型商業施設の利活用である。福島駅徒歩約5分の福島市曽根田町で、平成17年(’05)に75年の歴史に幕を閉じた「さくら野百貨店福島店」跡は、現在複合型映画館「ワーナー・マイカル・シネマズ福島」が継続営業している5階を除き空きフロアのままとなっている。

地元企業の表明進出

その空きフロアを福島市などが出資する第三セクターの「福島まちづくりセンター」が、4階にシニア向け生涯学習機能を持つ公共施設を計画し、1階から3階に商業テナントの誘致を進めていたところ、最近になって、今まで郊外でホームセンターを展開してきた地元企業が出店することを表明した。空洞化の続く中心部の賑わい回帰となるか、注目されるところである。

(次回の第7回:にっぽん「地価一番」物語は『銀座』)

 

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