第9回 大津

40年ぶりの変化 ~再開発で超高層建物も~

第9回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~                                                     
住宅新報2010年6月1日号(12面)掲載
日本不動産研究所 大津支所
不動産鑑定士 目片 匡

変わらない駅前の光景

JR大津駅に降り立つと正面にあるのが中央大通り。その右手前方に滋賀ビル(写真①)、右手前には平和堂大津ビル(写真②)、左手前方には日本生命大津ビル(写真③)がある。

滋賀ビルの北東方背後には、滋賀県庁をはじめ、多くの国、県の機関が集積し、滋賀県の中心市街地のひとつに数えられる。これらのビルは、昭和49年(’74)から50年(’75)にかけて相次いで竣工しているため、大津駅前の光景は昭和50年頃(’75)から大きな変化がないことがわかる。

その頃の日本といえば、昭和47年(’72)、田中内閣の発足とともに日本列島改造論が脚光を浴び、その影響で全国の地価が上昇。また、その後のオイルショックとも重なって日本の物価が異常な高騰を示した頃で、まさにその当時は名実ともに滋賀県の最高価格エリアであったといえる。

ところが、その後、人、情報がより中央へとシフトしていく中、オフィスの空室率は高止まり状態にあり、街の発展は足踏みを続け昔の姿のまま現在に至っている。地価公示の最高価格地(写真④、滋賀県地価調査基準地との共通地点)は現在でもこのエリアにあり、土地価格の推移はグラフのとおりである。

 


(写真上下とも)大津駅前の事務所ビル


オイルショック後にできた事務所ビルが連なる

 

 

だが、相続税路線価の最高価格はいつの頃からかJR草津駅前がJR大津駅前を上回った。平成6年(’94)のJR南草津駅の開業と、その周辺の土地区画整理事業の実施など何かと話題の多い草津市に民間資本は集中している状況である。

発展の足がかりに

大津市にとって今後の期待は、大津駅西地区(写真⑤)で施行中の土地区画整理事業で、街路整備とともに施行地区内の再開発区に超高層マンションが計画されている。平成25年度(’13)に予定されている超高層マンションの竣工により、およそ40年ぶりに大津駅前の姿に変化が生じることになるが、これを足がかりに新たな発展につながることを期待している。

(次回の第10回:にっぽん「地価一番」物語は『京都』)

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