第10回 京都

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いにしえの万華鏡(京)~伝統と開発の狭間で~

第10回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~
住宅新報2010年6月8日号(12面)掲載
日本不動産研究所 京都支所
不動産鑑定士 岩永俊作

大型店閉店のニュース

「阪急百貨店閉店へ!」
今年1月下旬、衝撃的なニュースが流れた。1週間後、「河原町ビブレ閉店へ!」。京都を代表する繁華街・四条河原町にある大型店舗の閉店ニュースが相次いだ。

阪急百貨店(写真①)は昭和50年(’75)初めの開店以来、若者向けファッションをリードしてきた。平成バブル時期に売り上げのピークを記録し、その後、消費低迷で業績不振が続いていた。今年(’10)8月下旬に34年の幕を閉じる。河原町ビブレは昭和50年(’80)頃から若者衣料に特化し、平成15年(’03)頃には1~5階にロフトを誘致し、長期間にわたり若者の流行をつかんできた。ロフトは近くにある別の大型店に移転する見込みだが、阪急百貨店のあとは未定のままだ。近年、四条河原町の集客力が低下しているのだろうか。

京都市の最高価格地点は、四条河原町交差点の北西角にある地価公示地(下京5-1、写真②)の銀行店舗である。ちょうど阪急百貨店の斜め向かいに位置する。大阪・京都を結ぶ阪急電車のターミナル地下駅「河原町」があり、対面には高島屋京都店が、さらに四条通りを西に500m行くと大丸京都店など京都の有数の老舗・物販店等が建ち並ぶ。観光シーズンはもとより平常でも歩行者で混雑する目抜き通りである。

同地点の地価は平成3年(’91)をピークとして下落が続き、平成19年(’07)からのいわゆるファンドバブル時に一時反転したが、リーマンショック以降再び下落して平成22年(’10)現在ではピーク時の1割強である。

 

 
写真①② 阪急百貨店と斜め向かいにある最高価格地点のビル

 

 


写真③昨年7月の地価調査で
25%下落したポイント

四条河原町交差点から北方に連なって河原町商店街がある。近年、みやげ物販店、飲食店等が建ち並ぶ中にカラオケ、エステ等のアミュージング系店舗が増え、また空店舗、テナント募集の看板が目立つ。同じ通りに地価調査地「中京(府)5-5」のポイント(写真③)がある。

昨年(’09)7月の価格は前年比マイナス25%と京都市内では突出した下落率となった。

京都駅前で新たな動き

古くからの商業中心地である伝統の「四条河原町」に対局する存在が、南西方2.5キロにある京都の玄関口「京都駅前」である。JR・新幹線・近鉄・地下鉄の京都駅が入る京都駅ビルにはジェイアール京都伊勢丹が平成9年(’97)に開店、京都駅地下街(ポルタ)に連絡する旧近鉄百貨店跡にはヨドバシカメラが今年(’10)10月開店予定。また、駅南西方500メートルに「イオンモール」が6月に開店予定と動きがある。

5千万人の観光都市

京都市は世界遺産17件の社寺・城をはじめ多数の歴史・文化遺産と四季を通じ風光明媚な自然環境をもつ。「街(まち)全体が一つのテーマパーク」といわれ、全国・世界中から年間5000万人の観光客が訪れる観光都市。恵まれた観光資源の恩恵を街全体として受けながらも市内商業中心地の色模様は動いている。

(次回の第11回:にっぽん「地価一番」物語は『神戸』)

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