第16回 鹿児島

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新幹線全線開業効果に期待 ~「鹿児島中央」は発展途上~

第16回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~        
住宅新報2010年7月20日号(12面)掲載
日本不動産研究所 鹿児島支所
不動産鑑定士 桐山 馨

企業の動きなどに影響も

来春、九州新幹線鹿児島ルートが全線開業し、本土最南端「鹿児島」の陸の玄関口である「鹿児島中央」駅から「博多」駅まで1時間20分程度で結ばれる。また、山陽新幹線「新大阪」駅まで直通運転する新幹線『さくら』も計画されている。

県都・鹿児島市は人口約60万と県総人口の3分の1以上を擁する一極集中型の都市である。中心市街地は商店街・繁華街・歓楽街が集積している天文館地区である(「鹿児島中央」駅からは1.5㎞程度、路面電車で4停留所)。

地価公示の最高価格地「鹿児島5-16」はアーケード型商店街の入り口である「天文館」交差点に近い電車通り沿いにある。 準にまで価格下落が進んだ。

バブル絶頂期の平成3、4年(’91、’92)には1㎡当たり625万円だったが、14年間下がり続け、18年(’06)には110万円と2割以下にまで下落した。その後、リーマンショック前のミニバブル期に、不動産投資ファンドが鹿児島の不動産を物色した影響で、地価は一時期横ばい状態を保っていたが、再び下落傾向になっている。

 


(写真上)
市内一の商業・繁華街である天文館の入り口付近


写真下)
九州新幹線の全線開業を来春に控えた
鹿児島中央駅近くの商業地

また、福岡市のオフィス賃料の低下によって、鹿児島市に拠点を置くことの費用対効果が薄れているうえ、九州新幹線全線開業後の移動時間短縮効果もにらんで、企業の鹿児島営業所の廃止や福岡への統合といった動きが具体化している。

これに対して、九州新幹線全線開業後に観光客を中心に乗降客数増加が見込まれる「鹿児島中央」駅周辺では、駅ビルの増改築や市街地再開発事業により、オフィス・店舗・ホテル・マンションなどの床面積が増えつつある。「鹿児島中央」駅前(東口)の最高価格地点に地価公示や地価調査の標準地はないが、「鹿児島5-19」が駅西口にあり地価の推移としては参考となる。当該地は、九州新幹線が部分開業した平成16年(’04)以降21年(’09)まで上昇したが、さすがに22年(’10)は、景気低迷の影響を受けて横ばいにとどまった。

しかし、「鹿児島中央」駅周辺では今後竣工するビルもあり、まだまだ街が発展途上にある。天文館地区とは対照的に不動産に対する一定の需要が認められる。

豊富な観光資源と可能性


(写真)城山から桜島と市内を望む、鹿児島の代表的なアングル

県内には鹿児島のシンボルである活火山「桜島」、自然公園(霧島屋久国立公園、雲仙天草国立公園、日南海岸国定公園、奄美群島国定公園など)や世界遺産(自然遺産屋久島)のほか、霧島や指宿などといった温泉地、鉄砲伝来とロケットの種子島や、黒豚や焼酎を代表とする豊富な食材・特産品と郷土料理などから分かるように、鹿児島の観光資源は全国でもトップクラスだ。

県のホームページでもトップ左上に「観光関連情報」を掲載していることでも分かるように、鹿児島では官民挙げて観光に力を入れている。九州新幹線全線開業は鹿児島へのアクセスを向上させる大きなポテンシャルを秘めている。この効果をうまく生かせるか否かが、今後の地価動向に少なからず影響を与えるだろう。

(次回の第17回:にっぽん「地価一番」物語は『宮崎』)

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