第21回 佐賀

全国の地価情報

「3極構造」で競争 ~リーマンショックの影響も小幅~

第21回にっぽん「地価一番」物語 ~全国の中心市街地はいま~ 
住宅新報2010年8月31日号(14面)掲載
日本不動産研究所 佐賀支所
不動産鑑定士  寺山三男

最高価格は駅前に

佐賀県内の主要都市は、人口23万5000人の佐賀市、6万7000人の鳥栖市、7万8000人の唐津市である。そのうち、鳥栖市・唐津市は、佐賀市と異なり、交通体系から福岡経済圏の影響が強く、特に鳥栖市は福岡市へ通勤通学する人口の割合が高い。

このように、佐賀県は、九州の他県のような一極集中した中心的な都市とその傘下の中小都市で形成される構造とは異なり、福岡経済圏の影響がみられ、都市の産業や人口動態、開発動向など、結果として地価にも影響している。

3都市の最高地価格は、佐賀市(10年地価公示、佐賀5-10、1㎡当たり25万2000円、以下同じ)、鳥栖市(10年地価公示、鳥栖5-1、12万3000円)、唐津市(10年相続税路線価10万5000円(地価公示ベース13万1000円)となっており、県内での地価一番は、県庁所在都市である佐賀市である。


鳥栖市最高地点近くの大型店舗


唐津市の最高路線価エリア


佐賀市の最高価格地点付近の佐賀駅前
地区

佐賀市の中では、従来より地域商業地の中心的な位置にある佐賀玉屋百貨店前付近が最高地(地価公示5-9付近)であった。しかし、JR「佐賀」駅前周辺(地価公示5-10付近)が土地区画整理事業により整備され、3~4年前から地価一番の地となったが、いずれにしてもこの佐賀市の2地点の地価動向は、バブル経済崩壊後、一貫して下落傾向にある。

 

全国の主要都市をみると、近年、リーマンショック以前には地価の上昇がみられたものの、その後は下落の傾向にある。佐賀市は、リーマンショック以前にも地価上昇はみられず、そのためか、下がり方が緩やかであった。

あるいは佐賀・鳥栖・唐津のそれぞれの都市は地理的にも離れており、また、経済的にも独自色があるので、いい意味で、他県の1極集中都市と違う3極構造であることが1つの要因なのだろうか。

佐賀市の東方に位置する鳥栖市は、九州自動車道、長崎自動車道、大分自動車道の結節点で九州各地への移動の時間的コストが低く、九州の「へそ」として位置づけられ、流通機能等の集積などで経済活性化は底堅い。

このような従来の都市のほか、今後の県西部地区のもう1つの核になるかもしれないのが、「いで湯と陶芸の里」武雄市である。

新たな地域の動きも

テレビドラマ誘致など「佐賀のがばいばあちゃん課」を創設するなど、将来の長崎新幹線「武雄温泉駅」(仮称)を機に武雄経済圏を広げようとしている。
佐賀県内の佐賀・鳥栖・唐津の3極構造に加え、新たな武雄経済圏を予兆させるような地域の開発動向などを背景に、佐賀市の「地価一番」の地位が今後も注目される。

(次回の第22回:にっぽん「地価一番」物語は『北九州』)

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