東日本大震災関連

 東日本大震災により犠牲になられた方々のご冥福を衷心よりお祈りしますとともに、かけがえのないご家族、財産を奪われ、今なお避難生活を余儀なくされている方々をはじめ、多くの被災者の方々にお見舞いを申しあげ、一刻も早い安寧と被災地の復興を祈念申し上げます。

 弊所は、昭和34年(1959年)の創設以来「不動産を確かな目で」見つめ、社会の発展に貢献して参りました。

 平成7年の阪神・淡路大震災の際にも、弊所は大震災にかかわる不動産価格の「震災基準」を、行政機関、個人、企業、金融機関等にいち早く提供し、この例にならい、今般の大震災に対しましても、平成23年6月10日に「東日本大震災に関する土地評価(震災が地域要因に及ぼす影響)」を公表いたしました。

被災地の自治体に向けた震災残価率適用プログラムの無償配布について

 弊所の固定資産税評価研究会では、総務省の平成23年10月14日付け通知文「東日本大震災により被害を受けた地方団体等における平成24年度の固定資産の評価替えについて」と(財)資産評価システム研究センターの「土地に関する調査研究委員会」における「東日本大震災被災地の土地評価に用いる震災減価率及び個別補正率に関する研究」報告書の内容に基づく簡易な評価方法を、被災自治体が円滑に行えることを念頭に置き、「震災残価率適用プログラム」を作成いたしました。これまでに蓄積されたノウハウとアイデ ィアを被災地自治体へ無償にてご提供させていただき、社会貢献の一環となることを願っております。

固定資産税評価における原子力災害の影響について

 また、原子力災害による放射線量等の影響につきましては、総務省の通知文のなかで触れられてはいるものの、現在の不動産市場においては合理的な価値の判断ができないのが実情であり、被災地における市町村の課税担当者が頭を悩ませています。

 そこで、弊所では、固定資産税評価における原子力災害の影響の判断の現状を整理し、考え方をまとめました。

 未だに混沌とした状況のなかで、現段階では解決策の提案とはなっておりませんが、被災地における市町村の課税担当者に対して、実務の一助になることを願っています。

固定資産税評価における土地価格と防災集団移転促進事業における土地価格の相違点について

 地方公共団体が防災集団移転促進事業に着手することに伴い、土地の買取り価格が公表されることになります。この価格が公表されることにより、被災地自治体の課税担当者が固定資産税評価における土地価格との整合性において頭を悩ませることが予想されます。

 そこで、弊所では、固定資産税評価における土地価格と防災集団移転事業における土地価格について、両者の価格の相違点を整理いたしました。

 この整理が、被災地における市町村の課税担当者に対しまして、実務の一助になることを願っております。

 

被災地自治体における固定資産税評価の下落修正について

 平成25年度における固定資産税の土地価格につきましては、平成24年7月27日に総務省自治税務局資産評価室長から各道府県総務部長と東京都総務・主税局長宛に「平成25年度又は平成26年度における土地の価格に関する修正基準の取扱いについて」が発文され、平成23年1月1日から平成24年7月1日までの下落修正を行う旨が通知されています。
 しかし、被災地自治体におかれましては、復旧・復興が進捗しているなかでの平成24年7月1日までの下落修正を把握する方法に頭を悩ませることが予想されます。
 そこで、弊所では、被災地自治体における固定資産税評価の平成25年度土地価格の下落修正の把握について留意すべき点を以下のとおりに整理いたしました。