No.1 北海道夕張市

国内唯一の財政再生団体 夕張市
根底に共同体意識の醸成

一般財団法人日本不動産研究所 企画部
不動産鑑定士 幸田 仁

 北海道夕張市は、「夕張メロン」の産地として全国的にも有名である一方で、財政再生団体として指定されている国内唯一の自治体でもある。令和2年3月1日時点の市の人口は7,788人。最多人口は昭和35年4月時点で、11万6909人であり、最多時から約93%も減少している。

 市の歴史は明治24年から始まる。近代化、工業化を支える産炭地の街まちとして栄え、最盛期には24の鉱山が稼働していたと。炭鉱産業の中核となったのは北海道炭礦鉄道会社(後の北海道炭礦汽船(株))であり、渋沢栄一も同社設立の発起人の一人として尽力している。

 現在の市の高齢化率は19年度で約51%(全道1位)。高齢化の課題にも直面していることはいうまでもない。