No.47 岡山県矢掛町

空き家群は一つのホテル
国内初のアルベルゴ・ディフーゾ

一般財団法人日本不動産研究所 岡山支所
不動産鑑定士 伊藤 雅人

 岡山県の南西部に位置する、人口約1万4千人の町、矢掛町。岡山駅からは、JRと井原鉄道を乗り継いで、車窓から里山やのどかな田園風景を楽しみながら約1時間、あっという間のローカル鉄道の旅である。 

 矢掛町は、江戸時代には参勤交代の山陽道18番目の宿場町として栄えた。大名や公家、幕府役人の宿として機能した本陣の「旧矢掛本陣石井家」、本陣を補佐する役目を持つ脇本陣の最後を務めた「旧矢掛脇本陣高草家」は、国の重要文化財に指定されている。