No.34 佐賀県

佐賀平野に広がる2千キロのクリーク
見直されるべき防災機能

一般財団法人日本不動産研究所 佐賀支所
不動産鑑定士 梅本 龍

 日本有数の稲作地帯である佐賀平野は有明海の湾奥部に発達した沖積平野である。この平野は有明海湾奥部に筑後川をはじめとする河川軍からの流入土砂の堆積によって1年に10メートルの割合で干潟が発達し、その干潟を飛鳥時代から行われてきたという干拓等によって陸化することで成長してきた。その佐賀平野を網の目のように流れる「クリーク(農業用排水路)」は総延長2000キロとも言われ、全国的に見ても独特の風情を醸し出している。