2022/03/31 【レポート】「不動産取引市場調査」(2021年下期)の結果概要を公表しました。

 「不動産取引市場調査」(2021年下期)の結果概要

1.データベースについて

(1)データベースの構築
 J-REIT、東京証券取引所、日経不動産マーケット情報等の公表事例を独自に集計。
2001年上期~2021年下期までで、約31,500件の取引事例を収集し、データベースを構築しております。
 
(2)データベースの特徴
 本データベースでカバーされるのは、主として都市圏を中心とした投資用不動産・事業用不動産(※)の取引であり、アセット別や、取引主体別、地域別等の分析が可能です。
 
(3)その他
 ・上期は1~6月、下期は7~12月としています。
 ・2~3月、8~9月頃を目処に、半期ごとにデータの更新を行います。
 
※1 集計対象としているのは、主として法人、J-REIT、証券化対象不動産関係者が関与した投資用不動産・事業用不動産の取引事例です。
※2 個人がエンドユーザーとして利用する戸建住宅やマンションの取引、個人投資家等による投資用アパート・マンションの取引など、一般に公表されていない取引事例は含まれていません。

 

2.調査結果の概要について

(1)不動産取引市場全般について
 不動産取引市場の規模(取引金額が公表されている取引事例についての取引金額の合計)は、2007年上期に約3兆円に達しピークを迎えた。リーマンショックが生じた2008年下期には約1兆円程度まで市場が縮小し、ピーク時の約1/3の規模となった。政権交代を経た2013年上期は2兆円超えと大幅に拡大し、以降も概ね2兆円超えの状況が続いた。2021年下期は2012年の政権交代以降では過去最高額となる約2.8兆円の取引が顕在化しており、コロナ禍以降も取引市場は活況を呈している。

(2)アセットについて
  アセットの構成では2021年上期とほぼ同様の傾向が続いた。2021年下期も流動化案件を含め大型オフィス取引が相次ぎ、ホテルについても将来の市況回復を期待して取引が活発化している。

 

(3) 取引主体について
 コロナ禍以降もJ-REITは一貫して買越を維持しており、J-REITへの物件集約は進んでいる。J-REITが一度不動産を取得すると、売却するケースは限定されることから「モノ不足感」が生じやすい。この市場構造自体はコロナ禍前から何ら変わっていないことが確認できる。加えて、2020年以降は、SPC・AMが買越しに転じている。背景には外資系ファンドや、機関投資家が出資する私募ファンドの取引増加があり、コロナ禍における有力な買手として存在感が増している。

(4)外資系プレーヤーの動向について
 外資系プレーヤーの取得金額は2007年上期に過去最高額の約9,100億円に達し当時の市場を席巻した。リーマンショック後は激減したものの、2013年の金融緩和政策開始以降は外資系プレーヤーによる取引も再度活発化している。コロナ禍においても外資系ファンド、外資系機関投資家ともに活発に売買を行っており、2020年上期の外資系プレーヤーの取得金額は過去2番目に多い約7,600億円に達した。2021年下期の取得金額も約6,800億円と高水準を維持し、3期連続の買越状態となった。3期連続の買越は約13年ぶりの現象であり、コロナ禍においても外資系プレーヤーが日本の不動産市場に強い関心を寄せていることを示す結果となっている。

3.留意事項

①本調査は、コンサルティング業務の一環として、有償にて提供しています。生データやデータのみの販売はしておりません。詳細についてご質問・ご関心がある方は、お問い合わせ先までご連絡下さい。
②本資料の基礎となるデータ等については、情報開示後の追加・変更等に基づいて適宜更新しており、過去または、将来の公表値と相違する場合がございます。
③本資料において行った分析結果等は、弊社の注意義務の範囲内において入手可能な資料に基づいて行ったものですが、調査の時点においての判断を示したものであり、実際の取引価格等及び将来において成立する取引価格・賃料成約水準等を保証するものではありません。また、経済環境の変化や不動産市況の変化、基礎となるデータ等の更新に伴い、過去に遡り今後予告なしに変更される可能性がございます。

 

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 [お問い合わせ先]
  一般財団法人 日本不動産研究所 金融ソリューション部 市況モニタリング室
  (MAIL)JREI-kinyu-madoguchi@imail.jrei.jp 
  (TEL) 03-3503-5363


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