Think ESG/SDGs Database

政府は2050年のカーボンニュートラルに向けて、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)の普及をめざしているが、2020年1月までの累計の実績はNearly ZEB、ZEB Ready、ZEB Orientedを含めても323件に留まっている。今後の普及に向けての課題は何?


 ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)とは、省エネルギー性能を高め、太陽光パネル等を設置することにより、使用するネルギーを実質ゼロ以下にしたビル。光熱費の削減やビル価値の向上などのメリットがあるが、普及の壁になっている主な課題としては、以下が挙げられる。

①初期投資額が高額となる一方、賃料上昇や経費節減の効果が必ずしも十分でない。

②ビルは一棟ごとに仕様が異なり、ZEB実現に向けたノウハウの蓄積・共有が難しく、対応可能な設計・建築業者が限定される。

③太陽光パネルなどの再生可能エネルギー施設の設置が物理的な問題や日射量の問題で困難な場合がある。