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政府は2050年のカーボンニュートラルに向けて、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及をめざしているが、2020年の実績は注文戸建住宅の24%に留まっている。ZEH普及の妨げになっている課題は何?


 ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、省エネルギー性能を高め、太陽光パネルを設置することにより、使用するネルギーを実質ゼロ以下にした住宅。光熱費の削減や室内の温度差による健康被害がなくなる(ヒートショックの回避)などのメリットがあるが、普及の壁になっている主な課題としては、以下が挙げられる。

①中小工務店などで、省エネ性能の高い住宅を建築する技術力が足りない場合がある。

②ZEHに対する補助金制度があるが、申請時期や件数に制約があり、希望しても利用できない場合がある。

③断熱性など省エネ性能を高めることや太陽光パネルの設置のために、初期投資額が嵩む。また、付随する機器(パワーコンディショナー等)は耐用年数が10年程度と短く、更新費用が嵩む。更に、太陽光パネルの廃棄時に要する費用が不明である。

④太陽光パネルなどの再生可能エネルギー施設の設置が物理的な問題や日射量の問題で困難な場合がある。