2023/04/12 【レポート】「不動産取引市場調査」(2022下期)結果概要

不動産取引市場調査(2022下期)

弊所は、不動産取引市場調査(2001上期~2022下期)を実施いたしましたので、調査結果の概要を公表いたします。

1.データベースについて

(1)データベースの構築
 J-REIT、東京証券取引所、日経不動産マーケット情報等の公表事例等を独自に集計。
 2001上期~2022下期までで、約33,800件の取引事例等を収集し、データベースを構築しております。

(2)データベースの特徴
 本データベースでカバーされるのは、主として都市圏を中心とした投資用不動産・事業用不動産(※)の取引等であり、アセット別や、取引主体別、地域別等の分析が可能です。

(3)その他
 ・上期は1~6月、下期は7~12月としています。
 ・2~3月、8~9月頃を目処に、半期ごとにデータの更新を行います。

※1 集計対象としているのは、主として法人、J-REIT、証券化対象不動産関係者が関与した投資用不動産・事業用不動産の取引事例等です。
※2 個人がエンドユーザーとして利用する戸建住宅やマンションの取引、個人投資家等による投資用アパート・マンションの取引など、一般に公表されていない取引事例は含まれていません。

2.調査結果の概要について

(1)不動産取引市場全般について

 不動産取引市場の規模(取引金額が公表されている取引事例についての取引金額の合計)は、2007上期に約3兆円に達しピークを迎えた。リーマンショックが生じた2008下期には約1兆円程度まで市場が縮小し、ピーク時の約1/3の規模となった。2013上期の金融緩和政策開始以降は大幅に取引が増加し概ね2兆円超えの状況が続いた。2021下期は過去2番目に多い約2.8兆円に達したものの、金利上昇への警戒感などから2022下期は約2.1兆円まで減少した。

(2)アセットについて

 アセットの構成でみると、引き続きオフィスの割合が高い。もっとも、2022下期については、大手町プレイスの影響が大きく、オフィス取引自体が増加しているわけではない。一方、将来の成長性やインバウンド回復に期待した物流やホテル等の取引は依然として活発な状況が続いている。

(3) 取引主体について

 2021年までJ-REITは一貫して買越を維持し、J-REITへの物件集約が進んだ。J-REITが一度不動産を取得すると、売却するケースは限定される。結果として、市場での需給バランスは安定化してきた。しかしながら、2022年はインベスコオフィスジェイリート投資法人の物件売却や、J-REITの取得金額の減少等により買越が減少。一方で、SPC・AM(私募ファンド等)の買越が増加しており、市場の私募化が進んでいることが窺える。

 

(4)外資系プレーヤーの動向について 

 外資系プレーヤーの取得金額は2007上期に約9,100億円に達し当時の市場を席巻した。リーマンショック後は激減したものの、2013上期の金融緩和政策開始以降は外資系プレーヤーによる取引も再度活発化した。コロナ禍以降においても外資系プレーヤーによる取引が目立っており、2022上期の取得金額は約1.1兆円と、2007上期を上回る過去最高額となった。もっとも、2022下期は金利上昇への警戒感等から取得金額は約4,500億円まで減少しており、今後の動向が注目される。

※詳細データについては非開示とさせていただきます。詳細についてご関心がある方は、下記「お問い合わせ先」まで、ご連絡ください。

3.留意事項

①本調査は、コンサルティング業務の一環として、有償にて提供しています。生データやデータのみの販売はしておりません。詳細についてご質問・ご関心がある方は、お問い合わせ先までご連絡下さい。

②本資料の基礎となるデータ等については、情報開示後の追加・変更等に基づいて適宜更新しており、過去または、将来の公表値と相違する場合がございます。

③本資料において行った分析結果等は、弊社の注意義務の範囲内において入手可能な資料に基づいて行ったものですが、調査の時点においての判断を示したものであり、実際の取引価格等及び将来において成立する取引価格・賃料成約水準等を保証するものではありません。また、経済環境の変化や不動産市況の変化、基礎となるデータ等の更新に伴い、過去に遡り今後予告なしに変更される可能性がございます。


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 [本件に関するお問い合わせ先]
 一般財団法人日本不動産研究所 金融ソリューション部 市況モニタリング室
 (MAIL)JREI-kinyu-madoguchi★imail.jrei.jp(★を@に変換してください)(TEL)03-3503-5363

 


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