2023/05/29 金融庁が公表した見せかけESGファンド防止のための監督指針とは何?

 金融庁は3月31日、「金融商品取引業者向けの総合的な監督指針」の一部改正を行い、ESGを掲げるファンドについての検証方針を公表した。この目的は、グリーンウオッシュ、グリーンウオッシングと呼ばれる「見せかけ」のESG投信を防ぐことにある。指針では、ESG投信の定義は「ESGを投資対象選定の主な要素としている。」等とし、これに該当しない場合には、ESG、SDGs、グリーン、脱炭素、インパクト、サステナブルなど、ESGに関連する用語が含まれないことを求めている。

 世界的にグリーンウオッシュが問題となっている中、今更感もあるが、見せかけファンドの抑止効果はあると考えられる。

 監督指針公表前に事前に行われたパブリックコメントでは、「主要な要素」は運用会社の判断事項とされ、数値基準などは示されていない。各社が自主的に基準を決めていくことで、自ずと業界スタンダードが定まっていくと考えられ、行政が一方的に基準を定めるよりも良い結果になるのではないか。