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【公表資料】 第30回 全国賃料統計(2025年9月末現在)の調査結果を公表


日本不動産研究所は、オフィス・共同住宅の賃料動向を把握するため、1996年9月末に全国賃料統計の調査を開始しました。
毎年9月末時点で、当研究所の本社・支社・支所の不動産鑑定士等が、全国主要都市のオフィス76地点、共同住宅158地点を対象にモデル建物の新規賃料を査定し、市場規模を示すウエイトを乗じて指数化しています。

 

第30回 全国賃料統計(2025年9月末現在)の調査結果(概要)

オフィス賃料は、全国平均が前年の0.9%上昇から今年は1.6%上昇に拡大し、2年連続で上昇となり、すべての区分で上昇となったが、上昇幅は1~2%とそれほど大きくない。大阪市のオフィス市況が回復していることから大阪圏や近畿地方で上昇幅が拡大し、名古屋市のオフィス市況の回復で名古屋圏や中部・東海地方では横ばいから上昇に転じた。

共同住宅賃料は、全国平均が前年の1.1%上昇から今年は1.6%上昇に拡大し、5年連続で上昇となり、北陸地方と四国地方以外が上昇となったが、上昇幅は1~2%とそれほど大きくない。北海道地方はラピダス半導体工場の影響による千歳市での賃料上昇の影響が大きく、近畿地方や大阪圏では大阪府などで転入超過が続き、賃料の上昇幅が拡大した。

今後の見通しは、オフィス賃料が三大都市圏などで上昇が継続し、2026年9月末時点では全国平均で1.3%の上昇が予想される。共同住宅賃料も三大都市圏などで上昇が継続し、全国平均では1.3%の上昇が予想される。

図表1 賃料指数 (2010年を100とする指数)

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注:東京圏とは、首都圏整備法による既成市街地及び近郊整備地帯を含む都市
  大阪圏とは、近畿圏整備法による既成都市区域及び近郊整備区域を含む都市
  名古屋圏とは、中部圏開発整備法による都市整備区域を含む都市
  六大都市とは、東京都区部、横浜市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市

 

 1.オフィス賃料   (図表1~5参照)

オフィス賃料は、調査地点の5割強が横ばい、4割強が5%未満の上昇となり、横ばいと上昇が拮抗し、全国平均も前回の0.9%上昇から今回は1.6%上昇に拡大し、2年連続の上昇となった。

都市圏別では、すべての区分で上昇となり、大阪市のオフィス市況が回復したことから大阪圏が前回の0.3%上昇から今回は2.7%上昇に拡大し、名古屋市のオフィス市況が回復したことから名古屋圏も横ばいから1.4%上昇に転じた。

地方別では、すべての区分で上昇となり、都市圏別と同様に大阪市のオフィス市況が回復したことから近畿地方が前回の0.3%上昇から今回は2.5%上昇に拡大した。

都市規模別では、政令指定都市が前回の1.1%上昇から1.8%上昇に拡大、六大都市も1.0%上昇から2.0%上昇に拡大したが、六大都市以外や政令指定都市以外は前回並みの上昇が続いた。

全国の主要地点では、大阪市と名古屋市が過去の大量供給から今年は市況が回復し、大阪市は横ばいから2.8%上昇、名古屋市も横ばいから1.5%上昇に転換し、それ以外都市は概ね前回並みの変動率で推移した。

図表2 オフィス賃料の変動率

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図表3 オフィスにおける上昇などの地点数割合

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図表4 全国の主要地点におけるオフィス賃料指数(前回・今回・予想)

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図表5 全国の主要な地点におけるオフィス賃料指数 (上段:2010 年を100 とする指数、下段:変動率)

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2.共同住宅賃料 (図表1、6、7参照)

図表6  共同住宅賃料の変動率

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図表7 共同住宅における上昇などの地点数の推移

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3.今後1年間の見通し 

オフィス賃料指数は、三大都市圏を中心に上昇が続き、2026 年9 月末時点では全国平均で1.3%の上昇と予想される。

共同住宅賃料指数は、東京圏や大阪圏などの大都市圏を中心に上昇が続き、2026 年9 月末時点では全国平均で1.3%の上昇と予想される。

 


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