2023/04/10 国交省が公表した「『社会的インパクト不動産』の実践ガイダンス」の概要は?

国土交通省は、「『社会的インパクト不動産』の実践ガイダンス」により、不動産分野を取り巻く社会的課題解決に向けた不動産の評価項目を整理し、公表した。ひと・地域・地球の課題解決に取り組むことで社会的インパクトを創出し、価値向上を図る不動産を社会的インパクト不動産と定義している。具体的には、不動産に係る社会課題・取組を4段階(①安全・尊厳②心身の健康③豊かな経済④魅力ある地域)・14課題・52項目に整理し、実践に向けたポイント等をまとめている。いわゆるESGのS分野の項目をかなり広範囲に網羅しているが、不動産のハード面との関連で整理されているため、一般的にS分野の課題とされている女性・シニア層の活躍、児童労働問題などには直接は触れられていない。

  また、ロジックモデルと称して、個別の評価項目の評価方法(例えば、子育て支援施設の設置という評価項目に対しては、施設の利用者数や利用者の満足度を用いて評価)を例示している。

 これらの項目の多くは、定義や評価方法がバラバラであったが、今回評価方法が例示されたことから、不動産オーナーがS分野への投資をする際の参考になるのではないか。