2023/05/15 米国の最近の反ESG投資の動きは?

 米国フロリダ州で、5月2日、ESGに配慮した投資を制限するいわゆる「反ESG法」にデサンティス知事が署名して成立した。フロリダ州の資金を投資する際にESG要因を考慮することを禁止する内容となっている。この動きは、共和党支持者が多い米国の他の州にも影響する可能性がある。

 また、バイデン大統領が拒否権を発動したものの、米国の上院下院でも今年3月ESGを考慮した投資判断を禁じる法案が可決されている。

 今後、脱炭素などの環境等への配慮が求められることが全く無くなるとは考えにくいが、脱炭素を目指す理想と地元のエネルギー関連業等を守りたい現実との間で時折揺り戻しの動きが起こることは避けられないようだ。

 米国を含む多くの国が2050年のカーボンニュートラルという最終目標を共有している一方で、ESGとは別の観点からの経済活動の目標もあるため、このように各国の実情に合わせながら柔軟に対応していくことが現実解としてやむを得ないと考えられる。